NC3が出る出ると噂されているので本当かなぁと思っていたら、どうやら理由は、歩行者保護規制の対応みたいですね。と、言う事は期限の今年8月までにはモデルチェンジしないといけない?
ちなみに歩行者保護規制は、対応できていない車両の販売猶予期間が2012年8月末までみたいです。
歩行者頭部保護基準の概要(国土交通省/PDF)
スポーツカーにとって問題なのは試験エリアです。
①BLE 基準線(ボンネット・リーディング・エッジ基準線)の特定
車両の前後方向の軸を含む鉛直平面に含まれる直線であって、鉛直線から車両後方へ50°の角度をなし、かつ、車両接地面からの高さが600mm の位置を下端とした長さ1mのもの(以下「ストレートエッジ」という。)と車両前部上面との接点の車両の横方向の集合の線をBLE 基準線とする(通常の場合)。
②ボンネット側面基準線の特定
車両中心線に垂直な平面に含まれる直線であって車両接地面と45°の角度をなすものと車両前部上面との接点の車両の前後方向の集合の線を、ボンネット側面基準線とする。
③ボンネット後部基準線の特定
頭部インパクタの球体部分を前面ガラスの下方と車両前部上面に同時に接触させ、この場合の頭部
インパクタと車両前部上面との接点の横方向の集合の線を、ボンネット後部基準線とする。
④試験領域の特定
前部試験線(WAD が1,000mm の点の集合である線又はBLE基準線から165mm 後方(分類3 の自動車にあっては、82.5mm 後方)の線のいずれか後方の線とする。)、後部試験線(WAD が2,100mm の点の集合である線又はボンネット後部基準線から82.5mm 前方の線のいずれか前方の線とする。)及び側方試験線(ボンネット側面基準線から82.5mm 内側の線とする。)で囲まれた領域を試験領域として特定する。
と、資料では書かれています。このエリアを考慮して各車両を見てみます。
まず、RX-8。
問題なのは、フェンダーアーチ部分と思われます。
エンジンがコンパクトな為、ボンネットが小さくなっています。
しかし、上記の基準だと間違いなく、頭がボンネットの端と当ってしまう。
これを改修する場合は、フルモデルチェンジ相当の費用が発生すると思われます。
次にコペン。
これもRX-8と同じです。
ただこちらはエンジンスペースの余裕などが原因と思われます。
さて、ロードスターですが。
ライト後ろ辺りが厳しそう…。少々の修正で規制がクリアできるか不安だ…。
そして、登場したばっかりで規制もクリアしているトヨタ86。
見て判る通り、条件をクリアする為にボンネットを最大限に広げている事が判ります。
この様に、頭部の当るエリアがボンネット上でなおかつショックを吸収する構造にしないといけません。
ちなみにフェンダー領域が大きくて規制もクリアしているCR-Z。
これはフェンダー形状を工夫しているのかもしれません。
RX-8は端が盛り上がっていますが、CR-Zは、角度を上手く調整していて、ボンネット側面基準線を内側にしているのかと思われます。
資料によると以下の時期との事。
適用時期
新型生産車:平成17年9月1日以降に製作された自動車
継続生産車:平成22年9月1日以降に製作された自動車
ただし、対策が困難な、車高の極めて低い自動車、SUV、貨物車、キャブオーバー車、
ハイブリット車の適用時期は以下のとおり。
新型生産車:平成19年9月1日以降に製作された自動車
継続生産車:平成24年9月1日以降に製作された自動車
RX-8とコペンは歩行者頭部保護基準がクリア出来ず赤字の条件により、生産終了になった様子です。
ちなみにNCロードスターも上記で見て判る様に現状では規制をクリアしていない様子です。
伏木悦郎さんのブログによるとフロント周りの修正の様子で、今回のマイナーチェンジで販売は継続できる物のNDへのフルモデルチェンジが2~3年先に延期とか。
今のマツダの財政状況を考慮すると致し方ないことですね。
ロードスターとRX-8の運命が判れたのは、ロードスターは厳しいながらも世界で年2万台程度は売れています。(内日本は1000台ぐらい)
それに対して、RX-8は世界市場から撤退し、今は日本国内のみ。終了確定も致し方ないかと。
やはりレギュレーションの壁は高いなぁ。