無茶苦茶懐かしいパソコンです。
上が1987年6月発売のNEC PC-9801VX21、下が1986年11月発売のNEC PC-9801VM21ですね。
共にジャンク品を安く買った本体です。強いていうと下のVM21はあるパーツを手に入れるためのおまけでした。
共に送料の方が高かった...。
なお、自分が給与で初めて買ったPCは、PC-9801VX4の中古でした。
その意味ではPC-9801VXには思い入れがあります。
歴史で言うと1986年10月に初代PC-9801VXが発売。
通常のPC-9801では初めてIntel 80286 8MHzのCPUを搭載し、8086系の1MBの壁を突破したモデルです。
(PC-98XAが初めての80286搭載モデルでしたが、こちらはハイレゾモード専用で通常のPC-9801からは除外)
互換性確保の為にNEC V30 10MHzを搭載していて、ディップスイッチでCPUを切り替えでした。
あとこのモデルから起動時に「ピポッ」という音がなる様になりました。
5インチFDDレスのVX0が35万3千円、
5インチFDD2ドライブ仕様のVX2が43万8千円
20MBのHDD付きのVX4が69万3千円...。
39年前だけど今価格見ても結構なお値段。
VXから遅れて1ヶ月後の1986年11月にPC-9801VM21が発売されました。
こちらは先代のPC-9801VM2の後継モデルとして発売されました。
CPUはNEC V30のみ。当時はDOSアプリはこの程度でも普通に使えていました。
価格は39万円。安くない...。
しかし、PC-9801VXより5万円安いのでこちらを選択した方も多かったとか。
翌年の1987年6月にPC-9801VX01/21/41が発売されました。
80286 CPUが10MHzにクロックアップしたことですね。
5インチFDDレスのVX01が35万3千円、
5インチFDD2ドライブ仕様のVX21が43万8千円
20MBのHDD付きのVX41が63万円...。
HDDが少し安くなっただけですね。
さてPC-9801VX2とPC-9801VM21の違いは、CPUで80286 CPUの有無、
グラフィックスでPC-9801VM21はGRCG(Graphic Charger)、
PC-9801VX2はEGC (Enhanced Graphic Charger)を搭載と違いがあります。
EGCは1MBの壁を超えたモデルで搭載されていて、V30モデルはGRCGでした。
PC-9801VX2とPC-9801VX21はCPU周り以外は基本的に同一ですが、
マザーボード上のジャンパーなどが無くなっていることなど小改良されている様子です。
本体を開けて見てみたところ、同時期に発売されたモデルであることもあって非常に似ている。
どこが違うのか調べみました。
結論を言うとグラフィックカードのサブカードとCPUが異なるのみです。
まずCPUカード。
80286の搭載有無、BIOSの違いで互換性はありません。
上がPC-9801VM21、下がPC-9801VX2のCPUカードです。(VX2はネットの写真から)
グラフィックカードはサブカードにEGCかGRCGを搭載しているかの違いです。
上がPC-9801VM21(GRCG)、下がPC-9801VX2(EGC)となります。
後のパーツはロット違いを除外するとパーツ番号、見た目も同じでした。
参考までにビデオカードのメインボード。
上がPC-9801VM21(リビジョンA7)、下がPC-9801VX2(リビジョンA7)となります。
入れ替えてもこちらは問題なく動作しました。
マザーボード。
PC-9801VM21です。PC-9801VX2もロット違いでした。
PC-9801VX21のマザーボード。違いが判らん。
ただCバス周りとかハードウェア仕様が直されている様子です。(というかバグ修正?)
PC-9801VX21だとBIOSのROMも拡張されているので、その意味では互換性はなさそうな感じです。
ただPC-9801VX21にPC-9801VM21のCPUカード差すと普通に起動してゲームの起動したので互換性はありました。
ちなみに両方のマザーボード共にバッテリーは交換しています。(緑色のNi-MNの電池)
茶色のバッテリーだったのでリスクが低いですが、
青色のバッテリーだと確実に液体拭いてマザーボード壊してご臨終というケースが多いです。
Cバススロットのカードは共通で、80286以降の切り替えスイッチもPC-9801VM21には付いています。
Wikiを見るとVM21の#2から#4スロットの電気信号は80286仕様とか。
結果としてPC-9801VM21とPC-9801VXではCPUを交換しても動作します。(VXのCPUを使う場合はEGCのカードにすること)
所有するVM21はVM21のCPUボードとVX2のマザー、EGCのビデオカードと謎仕様となりました。
ということでPC-9801VM21もマザーの死んだVXからCPUとビデオを移植すればVX化が出来ると言えます。
(ただVX21などの新しいリビジョンはBIOSがどう影響するか不明)
PC-9801のDOSゲームはPC-9801VX以降というケースが多いですし。
ただ、PC-9801VXもその後の386、486 CPUのPC-9801と比較すると圧倒的に遅い。
動作確認で1995年に自分が作ったゲームを動かすと無茶苦茶重たかった...。(画像はプロジェクトEGGより)
まあ386 CPU以上前提のプログラムだったしなぁ。
PC-9801VM21、PC-9801VX2の発売から9年後なので致し方ないところ。
参考までにPC-9801DA(i386 20MHz)ぐらいになると普通に動きます。
快適性だと486 CPUかな。
重い理由は、400ラインフル描画もあると思います。
PC-9801のアクション系は200ラインの間引きが一般的で何とか最適化で400ライン描画していた事、
多重スクロール含めたセル処理をメインメモリ上で処理していた事もあったと思います。
まあ39年前のパソコン。
レトロPCブーム(レトロゲーム)でPC-9801も程々人気ですがPC-9801VXを直したいという方の参考になれば。